ムベ(郁子) アケビ科 ムベ属
日当りの良い山地に自生する蔓性の常緑低木。別名:トキワアケビ。
1つの株に、単生花を両方持つ雌雄同株異花で、4~5月に総状花序を出す。
雄花の花序と雌花の花序とがあり、雄花は多いが、雌花は少ない。
花弁はなく、花弁に見えるのは蕚片で長さ2センチほど。外側の3個は幅が広く、内側の3個は幅が狭い。6個の蕚片の内側は暗紅紫色が普通だが、白色もある。
アケビやミツバアケビの花とはかなり趣が異なる。
雄花と雌花の外観は似ているが、上は雌花、下が雄花。雄花序雄花は、雄しべが1個の塊に見えるが、退化した雌しべのまわりに合着した6本の雄しべがある。
雌花序雌花には3本の子房があり、先に花柱のない柱頭がある。雄しべは退化。
できたて、ほやほやの幼い果実。果実は秋に暗紫色に熟し長さ約5センチ、仲間のアケビのように裂開しない。
果肉は白く柔らかくて甘い。(果実と葉:2010年10月、千葉市・青葉の森)
葉は互生で、掌状複葉。小葉は卵形で先が少し尖り革質、鋸歯がなく全縁。
小葉は奇数枚で、通常5枚あるいは7枚だが、若木は3枚。