サイカチ(皂莢、西海子)・刺と豆果と樹皮
マメ科(旧ジャケツイバラ科)サイカチ属
学名:Gleditsia japonica
和名サイカチは古名の西海子(さいかいし)が転訛したものだと言われている。漢字の皂莢(そうきょう)は当て字である。
小田原に西海子小路(さいかちこうじ)という通りがあり、昔はサイカチの木が多かったらしいが、今は桜並木になっている。京都には西海子町(さいかいしちょう)があり、中国の北京には西海子公園があるが、関連は不明。
(サイカチの語源について興味ある記述を見つけたのでリンクしておきます。
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本州、四国、九州に分布している落葉高木。花期は5~6月。
枝と幹にある鋭い刺は、幼木の頃は小さく少なく、老木になると刺は大きくなり幹一面に生えてくる。この刺は枝が変形したもので、幾つにも枝分かれしている。
河原を好んで生えるので別名カワラフジキともいう。
果実は豆果で、曲がりくねった灰褐色のサヤは垂れ下がり、長いものは30センチくらいになる。サヤの中には10~25個の種子ができ、大きさは長さ10ミリほど。サヤは古くから石鹸代わりに使われ、トゲは利尿、解毒に利用された。
豆果が風に揺られてカシャカシャ音が聞こえるような気がした。曲がりくねった鞘は蛇がぶら下がっているように見える。落ちていた鞘を割ってみたら、小さな豆が・・・サヤの大きさに比べかなり小さい。枝分かれした鋭く大きな刺。
ユリノキ(百合樹)・枯れた果実の残骸と樹皮 モクレン科ユリノキ属
別名チューリップノキ、ローソクノキともいう。
北アメリカ原産で、明治初期に渡来した落葉高木。
翼のある果実がたくさん集まって松かさ状の一つの果実を作っている(集合果)。
一番外側の翼果が残り、落葉した梢の先に花が咲いたように見える。
径5~6センチの花は初夏に咲く。
花が咲いたように見え趣がある。既に2月、翼果がまだ残っているものが多い。松傘状の集合果が閉じたままで翼果が全く散布されていない。完熟しなかったのだろうか?真中の果軸と、もっとも外側だけ開いて残った残骸・・・これが普通なのだが。
アキニレ(秋楡)・枯れた果実と樹皮 ニレ科ニレ属
本州中部以西に分布する落葉高木。
痩せ尾根、河原などに生育しており、良く発達した根によって乾燥した痩せ地にも定着する。秋になって葉が落ちてもなかなか果実は枝から離れない。
果実は長さ1センチ程度、翼があり、強風によって飛ばされて散布される。
ニレ属の仲間の中で、唯一秋に開花するのでアキニレ。